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頭痛

頭痛とは

頭痛とは

頭痛は、日本人の約40%(約4000万人)が頭痛に悩まされたことがあるといわれるほど身近な症状であり、その症状の強さから日常生活に大きな支障となる場合があるほか、原因によっては早急に対処しなければ生命に危険が及ぶ場合もあります。
頭痛のタイプは一次性頭痛と二次性頭痛の大きく2つに分類されます。一次性頭痛とは、原因となる器質的疾患が見当たらない慢性的な頭痛であり、元々頭痛持ちの方の頭痛に該当します。一方、二次性頭痛とは、脳卒中や脳腫瘍といった他の疾患が原因となり起こる頭痛です。頭痛診療においては、まずは問診や頭部CT・MRIなどの検査で一次性頭痛と二次性頭痛の鑑別を行ないます。

一次性頭痛

主な一次性頭痛としては、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛があり、それだけで命に関わることはないため頭痛症状そのものに対する治療を行ないます。

片頭痛

片頭痛は、ズキズキする拍動性の痛みであり、頭の片側が痛くなることが多いですが、時には両側や後頭部まで痛むこともあります。頭痛発作時には吐き気や嘔吐などの症状が出現したり、光や音に過敏になって不快感を感じることもあります。
片頭痛が起こるメカニズムとしては、ストレスなどをきっかけとして三叉神経が刺激され、その末端から放出されるサブスタンスPやカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)といった物質により脳硬膜の血管のまわりに炎症が起こり、その刺激によって痛みが起こるということがわかっています。
片頭痛の治療は、痛みが起こったときに症状を抑える急性期治療と、頭痛発作が起こるのを予防する予防治療とに分けられます。急性期治療では、非ステロイド系抗炎症薬 (NSAIDs)、アセトアミノフェン、エルゴタミン製剤、トリプタン製剤などの薬を症状の程度に応じてその都度使用します。予防治療には、抗てんかん薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、抗うつ薬などの内服薬を定期的に服用することにより頭痛発作を予防します。また近年では、新たな予防治療薬として、CGRP関連抗体薬(抗CGRPモノクローナル抗体製剤、抗CGRP受容体モノクローナル抗体製剤)という注射剤が使用できるようになりました。

CGRP関連抗体薬

CGRP関連抗体薬は、三叉神経末端から放出され片頭痛の発症に関与するCGRPという物質が受容体に結合するのを阻害することで、片頭痛の発症を予防します。通常の急性期治療や予防治療に対する反応が不十分で症状が抑えられない場合に注射で投与する薬剤であり、以下の条件をすべて満たす方が対象となります。

  • 18歳以上で、すでに片頭痛と診断されている
  • 過去3か月の間、1か月に4日以上の頻度で片頭痛発作を発症している
  • 従来の片頭痛予防薬の効果が不十分、または副作用などの理由で内服の継続が困難
  • 睡眠、食生活などの生活習慣の改善を行なっても日常生活に支障をきたしている

各CGRP関連抗体薬の特徴

現在、日本で使える注射タイプの片頭痛予防薬は「エムガルティ」「アジョビ」「アイモビーグ」の3種類となり、それぞれ投与間隔などの特徴が異なります。

商品名 エムガルティ アジョビ アイモビーグ
投与経路 皮下注射
標的 CGRP CGRP受容体
投与量・投与間隔 初回に2本
2回目以降は1か月間隔で
1本
1か月間隔で1本
または
3か月間隔で3本
1か月間隔で1本
特徴 初回に2倍量投与を行なう 3か月ごとの投与間隔も
可能である
抗体の標的が他の2剤と
異なり、受容体である

当院ではいずれの注射薬も処方可能です。在宅自己注射も保険適応となっており、オンライン診療と組み合わせて使用することも可能ですので、下記よりご予約ください。

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緊張型頭痛

緊張型頭痛は、不良姿勢や精神的ストレス・身体的緊張などにより首や肩の筋肉が緊張することによって起こります。痛み方としては、頭部に広がる鈍い痛みや圧迫感・緊張感が特徴的であり、頭の両側や後頭部に生じることが多いですが、痛みの程度は軽度から中等度で、日常生活への影響はあまりないとされています。
緊張型頭痛の治療として特別なものはなく、適度な運動やストレッチ、正しい姿勢や眼の使い方の改善などの生活習慣の改善が有効です。症状が比較的強い場合には、鎮痛剤、抗うつ薬や抗不安薬、筋弛緩剤などを用いることもあります。

群発頭痛

群発頭痛は、非常に激しい頭痛が一定期間内に短い間隔で発生する疾患です。一般的に、毎日数回から数十回の頭痛が発生し、1回の発作は30分から数時間続きます。数週間から数か月に渡って発作が出る期間があり(群発期)、その後発作が出ない時期が数ヶ月から数年続く(寛解期)という特徴があります。多くの場合、夜間に発生することが多く、頭痛発作中には患部の目の周りや額、頭頂部などに激しい痛みが生じ、目の充血や流涙、鼻汁などの症状も伴うことがあります。群発頭痛の原因ははっきりとはわかっていませんが、脳神経の1つである三叉神経や頭頸部血管の関与が疑われており、喫煙やアルコールの摂取などによる刺激が群発頭痛の発作を引き起こすこともあります。
群発頭痛の治療として、群発期においては誘因となる喫煙やアルコール摂取を避けることが重要です。発作時にはトリプタン製剤の皮下注射や高濃度酸素の吸入などを行ないます。

二次性頭痛

二次性頭痛の原因としては、脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎、慢性硬膜下血腫、脳動脈解離、高血圧などが挙げられます。二次性頭痛の場合には原因となる疾患が命に関わる場合もあるため、各種検査で原因疾患を同定し、各々の疾患に対する治療を行ないます。

こまごめ内科・循環器内科クリニック
院長
西城 由之(日本内科学会認定総合内科専門医/日本循環器学会認定循環器専門医)
電話番号
03-5832-9600
所在地
〒114-0014 
東京都北区田端4-3-2 山積ビル1F
アクセス
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診療時間 日祝
9:00-13:00
15:00-18:00

:女性医師
※受付終了は午前12:45、午後17:45
休診日:水曜午後・土曜午後・日曜・祝日

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